祖先が切り拓いた
棚田の農地と
里の暮らしを、次の世代に

穀の野菜は、土佐町の中心部から車で30分ほどの棚田地帯で作っています。標高は約200~600m、この辺りは「天空の郷」と称される景観の素晴らしいエリアで、古来からの米どころでもあります。

高地で野菜を栽培すると、寒暖差により植物は栄養素を貯め込み、甘みを出しやすくなるのですが、毎日毎日、遠方の農地まで通い、作物の世話をするのは厳しいものがあり、農地の存続が危ぶまれていました。

土佐町だけに限りませんが、高齢化や後継者不足といった問題が拍車をかけ、農業の存続は難しいのが現状です。土佐町で暮らし地元農家さんと繋がり関わっていくなかで、その深刻さを感じるようになりました。

私が仕事を通して出会い、その問題を誰よりも強く感じていたのが、地元出身で40年の東京生活を経て帰ってきた重光さん(通称シゲ爺)です。シゲ爺は農業初心者でしたが、地域に対する想いと情熱で、高地栽培に適した野菜を日々試行錯誤しながら作っています。

安心・安全で、自分たちが本当に美味しいと思える野菜を目指し、地元で作る堆肥、EM肥料に加え自分たちで切り出した竹をパウダー状にした堆肥を土にすき込み、恵まれた自然の力にまかせ、ゆっくりと育てます。清浄な空気と水で成長した野菜は、素材本来の味と香りが濃厚です。

そんなシゲ爺の想いに共感した地元住民、若い移住者たちが集まりました。この素敵な農地をどう維持し、いかにして農業と暮らしを継続していくか、その答えを求めて皆で試行錯誤をしています。

穀のやさい餃子は、そのひとつの解決策として生まれました。

穀  長谷岡 勲

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